オールオン4を採用しない理由


 1996年に設立された私の
高松インプラントセンターでは
オールオン4は採用しておりません。

 又、此れからも
採用する予定はありません。

 全く歯の無い患者さんに対して
インプラントを
埋め込む手術をしたその日の内に
人工歯を入れて
即日、
噛むことの出来る様にする手法は
別段、
目新しい手法ではない。

 インプラント治療の生みの親である
ブローネマルク博士自身の研究からも
同様の手法が開発されている。
ブローネマルク.ノバム.システムである。

 此のノバム.システムは
今から凡そ10年程前に
市販化された。

 市販に先だって、
私は伊藤雄策先生と
スウェーデンのクリスターソン教授より
此のノバム.システムの
実地指導を受け、
その後、
数症例程ノバムの臨床を行った。

 又、我が国に於いては
埼玉県のマキシス.インプラントセンターの
波田野先生御考案の
マキシス.ニュウが
無歯顎者に対する即日インプラント治療の
代表例であろう。

 オールオン4の開発者である
ドクター.マローの原著論文による
治療成績と、
世界で最も権威ある研究機関である
スウェーデンのカロリンスカ研究所から
オールオン4は
未だ未完成であり、
一般使用すべきではないという
報告が出ている以上、
インプラント治療に
長年、携わってきた者として
私のインプラントセンターでは
使用する気持ちにはならない。

 何故、此ほど迄に
オールオン4の営業広告が
巷に溢れているのか
私には解せないのだが。

 はっきりと云えるのは
昔から
インプラント治療に対して
真面目に取り組み、
この分野の畑を耕してきた
インプラントの専門家は
従来からの
確実な手法を
採り入れている。

 私が臨床家である以上、
香川県高松市と云う
ちっぽけな地方都市ではあるが
インプラント治療の良心を
此の地に
遺さねばならない。