春の陽気のなか、
郊外の先祖の墓地を参拝し終わった母は、
安堵したようです。
朗らかに・昔話に・花を咲かせます。
東北地方の施設に、
本人の意思とは関係なく、
半ば強制的に入居さされ、
お小遣いも・持たされず、
お菓子をお裾分けするなど・もってのほか、
何も・持ってきてはくれない、
放置状態だった訳です。
生まれ育った・讃岐の空気に包まれて、
母は・人間性を・取り戻したのだと・思います。
痴呆症と診断されていたようですが、
それは、
家族が作りだした・高齢者の心の叫びだったのだと・思います。
医療の原点は・手当てという・言葉から。
手の・温もりは、
心も、
精神も、
癒してくれる事を、
母を通じて・学んでいます。