h.saegusa のすべての投稿

日本歯科大学創立110周年にあたって

私は仏さまのお導きにより、

商家の跡取り息子から、

一転奮起し歯科の門を叩いた者です。

で、

歯科大学29校の中から、

私は日本歯科大学で学ぶことを切望したのです。

昭和56年の入学で、

第76回生です。

日本歯科大学は稀有な教育機関です。

創立者である中原市五郎先生のオーナー家を中心に、

教職員、学生、卒業生の皆が一丸となった

強い結束を誇っています。

現学長をお務めになられる中原 泉教授は、

市五郎先生のお孫さんに相当します。

現学長先生は言わば【歯科医師の棟梁】だと、

武家社会で云う処の【武家の棟梁】のような存在であります。

建学の精神は【自主独立】

本学は未だに、

文部科学省からの助成金を受けない唯一の大学です。

【歯学は私学に創られた】

そのプライドを未だに頑なに守っています。

先刻、

日本歯科大学 創立110周年を祝う記念誌が送られてきました。

卒業生として誇らしく思います。

私は現在、密に大学との連携関係に在ります。

市井の開業医である私の意見を

素直に聞き入れて下さり、

誠にありがたい想いで感謝しています。

現在大学は、学長先生の強いリーダーシップのもとで、

次々と改革が進められています。

歯科の教育を、

此処で授かった私は、

少しでも、

そのご恩に報いたいと、

毎日の診療を

丁寧に分析を前提とした条件設定を行い

臨んできました。

多くの長期間のデーターが次々と出ています。

良い歯科医師の養成のために

惜しみなく大学へ公開できますのも、

私の

本学への感謝の気持ちからでもあります。

歯科医師供給過剰から

国が歯科医師国家試験の合格率を下げる政策を採っています。

何処の歯科大学も坑がえませんので、

教育も、

臨床医師養成のトレーニングから、

歯科医師国家試験の予備校の様を呈しているなか、

あくまでも良い歯科医師を養成する責務を自覚する本学は

残念ながら国家試験では苦戦している模様です。

100年の経験から積み上げた確かな教育方法と

国家試験合格率を上げることの両立も

早晩、解決するでしょう。

私は此処で学ぶ学生に対して

強い愛情を持っています。

其れが私が診療所を休んでまでも

母校に馳せ参じる大きな動機です。

休診の際には患者さんにはご迷惑をお掛けしています。

その分、

良い歯科医師を社会へ送り出して、

そんな気持ちを

どうぞご理解ください。

 

 

 

 

思いもよらず

昨日、

テレビ界の有名なディレクターの方との雑談で、

先生は、みんなから感謝されているじゃないですか。

羨ましいですよ。

そんな台詞を思いがけず。

ただ私自身は、

感謝されようとなど想い至ったことは一度となく、

また、

これだけ長い歯科医師人生です。

治療方針をめぐって患者さんと

幾度となくぶつかり、

何でもかんでも患者さんの言いなりにはなれませんから、

偏屈者、

頑固者、

そんな印象を持たれているだろうと、

そんな風にしか。

歯の手当ての中に【私の命を注ぐ】

そんなこんな感じに夢中で。

ただ、それだけでした。

奥から2番目と3番目の歯は、

患者さんのお口の中で、

直接、

私が彫刻した歯ですが、

歯の中に、

私は自分を封じ込んで、

そんな感じで、

手当てに夢中。

いちいち難しい理屈など考えていませんので。

ただ、

その歯の寿命なり、

歯の声って云うんでしょうか?

ハッキリと聴こえるようになりました。

ただそれだけです。

 

 

内村鑑三氏の言葉

18歳で歯科医学の門を叩いて

35年ほど過ぎ去り、

で、

結局の処、

想い至ったのが、

この内村鑑三氏の言葉です。

内村鑑三氏は、

少年よ、大志を抱けと云う台詞があまりにも有名である

札幌農学校のクラーク博士のお弟子であり、

日本における聖書の普及者として有名な方です。

この氏の遺した言葉は、

氏が長野県安曇野に滞在した際に、

歯が原因の骨髄炎を患い、

当時の医療事情であれば命を落としかねない状況にありました。

当地の歯科医師の手厚い治療と介護にて

無事に回復された氏が、

感激して書き記したものです。

50も半ばとなった私も、

やっとこの言葉の本当の意味合いが

おぼろ気ながら、

判るようになりました。

人の大切な身体を与る歯科医師として

紳士の振る舞いと思考をと、

診療台の直ぐ脇に掲げたこの言葉を

1日に何回も何回も、

私は眺めては診療しています。

三枝デンタルオフィスの今後の広報活動について

インターネットの普及によって、

患者さんが医療機関の情報を入手しやすくなりました。

これは大変有意義なことだと思います。

しかし、

アナログ人間の見本のような私は、

このような流れに対して、

数年前に焦ったのです。

私らからしてみれば【アマチュア級】の歯科医師が

自身のホームページにおいて堂々と!

【大家】【名人】のように自己賛美し、

で、

そこで治療を受けた悲惨な結末の患者さんが

困り果ててお越しになられる。

その際に、

ある程度は目を瞑って、

広報活動も必要なのだと、

マイペース診療スタイルであった私は、

反省したのです。

そこで、

ホームページは知人に造って頂きました。

また、

インプラント○○などと云う患者さん向けの

説明サイトにも

数社からお話しを伺い、

まずは試しで、

で、

【ヤラセ】満載のサイトと判れば、

即座に解約、

で、

ついに全ての広告サイトとの契約を解除したのです。

【行きやすい感じ】と【良質な医療の提供】は違います。

【目だつ】ことと【技術水準】も違います。

やはり私はマイペースで行こうと。

私のことは、

私のホームページだけで。

それ以上、

それ以外の方法にて、

私は広告費用をかけてまで、

患者さんを大勢に集めようとは思いません。

其れが私の経験から得た結論です。

 

 

悩み、考え、迷い、そして決断へ

この数週の間、

先般ご披露させて頂いた

新患の患者さんのことが

どうしても頭から離れません。

この他の歯科医師の為した治療結末を

どのようにして【回復】させようか?

そんなことばかり。

状況は完全に把握できました。

何故?

このような悲惨な状況に陥ったのか?

これも既に理解できました。

この歯科医師には、

ご自身の力量が判断できなかったのでしょう。

インプラントを埋入するための【下準備】が

いささか不足していたように思います。

患者さんの頬を伝わる涙を、

歯科医師たる私は重く受けとめています。

詳細なる分析は、

休暇の間に済ませました。

ただ、

【手当て】の手段は、

今の私の治療カードにおいては

星の数ほど沢山在ります。

それを数種類にまで搾って、

患者さんの判りやすい説明の方法は?

そんなこんなばかり考えています。

 

動機

友人たちは私のカトリックへの改宗に

とても驚いているようです。

一番の身近な立場であり、

同性である息子は、

私の気持ちを無理なく自然と、

受け止めているようです。

人を診る仕事に、

私は不向きであるのかもしれません。

心が傷つく機会も多いのが、

医療人の定めでも在りますから。

長い期間に患者さんと接しまして、

つくづく思いますのは、

本当に尊敬に価する方の多いことであったのも

反面の事実でもあります。

勉強させられ、

私も、かく在りたいものだと、

襟を正すキッカケを造って下さったのも、

多くの患者さんからでした。

時には、

このような人には絶対になりたくないと、

そう感じます機会も在りました。

私も人生の後半戦です。

今は、

このようになりたくないと云う

気持ちにもなりたくないのです。

清々しい心で、

患者さんの手当てに従事専念することだけが

私の人生の締めくくりだと思っています。

信仰は心の泉だと、

私は思って来ました。

資本主義優先の時代ですが、

清々しい愛の心で在りたいと云うことが

私を動かせた動機でも在ります。

今朝の私の診療所

今朝の診療所の様相です。

スタッフの宮田君が手当ての最中です。

ねっ?

小物、雑貨に囲まれてるでしょう?

私の嘗ての愛車の写真やミニチュア模型。

色んなモノを飾って、

集中し疲れた眼を、

好きなモノを一瞬、

それだけで休まるモノですよ。

私の診療所

私は所謂【小物.雑貨】の類いが好きです。

診療所の至るところに、

私の贔屓の品を、

それとなく飾っています。

好きなモノに囲まれて仕事する。

其れは私が子供心のままから

成長しきれていない証かもしれません。

グラスやガラス細工の品も好きです。

心が透き通ったような感じになるからです。

其れを知ってか、

患者さんを初め、

色んな方からの頂きモノも

ガラス細工やグラスが多いようです。

最近、

NCISネイビー特別捜査班のギブス捜査官のサインを頂きました。

うわっ!

早速、診療台の横に飾ろう!

それで額縁を探しています。

私の診療所は、

そういう空間です。

後輩

新しい患者さんの共通点に

気がついたのです。

ですから、

複雑な気持ちになったのです。

今は歯科医師が過剰で、

歯科氷河の時代と言われています。

歯科医師の数が多いので、

1歯科医院当たりの患者さんの数が減って、

歯科医院の経営が苦しいと云う理屈なのだそうです。

そうでしょうか?

本来、

1人の歯科医師がマトモに診察できる患者さんの数など

たかがシレテいるのです。

キャパシティ以上の無理した仕事の結末が、

私の診療所へお越しになられる患者さんから

ハッキリと伺えるのです。

歯科医学が科学とは別物の能力を

とても、とても必要とする仕事であることを

そろそろ歯科医師自身が認める時だと思います。

休暇の夜遅く、

日本歯科大学 新潟生命歯学部の学部長をお務めになられる

藤井一維教授からお電話を頂きました。

月に一度程度の割合で、

先生と長電話に興じるのが、

この10年の定例行事となりました。

先生は私より1年後輩に当たります。

私は心の底から、

この後輩を尊敬の念で見つめています。

歯科氷河の時代に在る歯科界の将来を

真摯に受け止めて、

軌道修正に命を懸けているのを

解っているからです。

誰が、

このような役柄を望むでしょうか?

【歯学は私学によって創られた】

我が国最初の歯学校であり、

歯科医師の最大派閥である日本歯科大学の

オーナー家以外での学部長の重責は

普通の歯科医師では務まる筈はありません。

このような歯科医師が、

今後の歯科の文化を創って行くのでしょう。

私は、

歯科の世界をノビノビと、

遊び心満々で、

楽しんで、

生涯を終えたいと思います。

歯科の仕事を選んで良かったと、

そう思える歯科医師を造り出して

社会へと送り出して欲しいと、

私は此の優秀な後輩に

いつもいつもお願いして

電話を終えているのです。

ただ嬉しいだけ

久しぶりの治療です。

やはり歯の治療は面白い。

手先が喜んで勝手に動いてくれるような気がします。

歯科医師人生の折り返し地点に来たのだと思います。

此処等でチョッとひと休み。

無論、勇気が要りました。

でも。

今は良かったと思っています。

歯科医師と云う仕事を選んで、

本当に果報者であったと。

細工仕事が好きなんでしょうね。

歯は石ころみたいにお感じになられているでしょう?

が、

内部は瑞々しいんですよ。

構造も複雑ですし。

男の生涯を捧げるに価する位に、

不思議な生き物なのです。

現在、難症例を幾つか抱えています。

今朝も、その中のお一人。

歯科技工所さんのご厚意にて、

サポートのために歯科技工師さんを派遣して下さいました。

で、

この歯科技工師さんが患者さんに、

ポロリと。

三枝先生ところは最後の砦みたいに、

何処へ行かれても駄目な方が来られる処だと云う認識を

我々は持ってるんです。

だから、

コチラの仕事はとても緊張するんです。

また、

ご一緒できて嬉しいし、

遣り甲斐があって、

腕が鳴るんです。

私ですか?

ニコニコして聞いてました。

ただ、

私は喜んでヤってるだけなんですが。

子供にオモチャみたいなモノじゃないかと。

目の前の患者さんが、

それはそれは、お美しいお顔になられるようにと。

また、

美味しいモノをいっぱい召し上がって頂きたい。

それだけなんですけどね。