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臨床医の使命

私の診療所は、

広さだけは60坪もあるのですが、

診療台は歯科用に1台と手術台のみと云う

小規模ですので、

1日に診察できる患者さんの数は

たかがシレテいます。

何でそんなに広さが要るのか?

そう感じられることでしょう。

私なりの理想像を求めた結果、

今に至ったのです。

難症例の宝庫と言われているそうです。

業界人曰く。

私ん処は、

患者さんの求める処が高いのだそうな。

が、

私はそうは思いません。

私が患者さんの立場であれば、

当たり前ですから。

それでも、

新しい患者さんが増えて、増えて。

ただ、

午前の10時からの診察で、

夕刻は18時には、

診察は終了しています。

歯科治療は精密仕事です。

遅くまで、

技術者の根気が続く筈はありません。

治療の合格点を担保保証するに、

今の形態に至ったのです。

それでも、

本当に歯でお困りの方が絶えないのでしょう。

お昼の休憩時間もとれません。

それが臨床医の使命だと思っています。

今日、

患者さんの治療の立ち会いに

歯科技工士さんがお越しになられていました。

患者さん、歯科技工士さん、スタッフ、

そして私と、

あれやこれやと、

見映えと噛み心地のチェックをしていました。

噛み合わせは合格点。

見映えも善し。

で、

それ以上の

美しさと自然さをと、

手当てしていて、

そんな中、

歯科技工士さんが私に問うたのです。

そこまでして何が変わるんです?

ソレハ単に自己満足やな。

と、答えたら、

患者さんが笑っておられました。

だって、

家に帰ってから、

気分が良いじゃない?

そういうモンじゃないですか?

仕事って。

私の願い

私の世代で3代目と云うのが普通?である

歯科業界です。

その様ななか、

歯科医師としての初代で、

一から築いたからでしょうか?

とにかく、

工夫に工夫を重ねて来ました。

立地とか、

新しい技術の導入や、

最新の医療機具を揃えた処で、

患者さんの支持が常に維持できる程、

甘い世界ではありません。

其れは他の業界と全く同じです。

ただ、

ある範囲内の方々と云う的を絞って、

私は自己主張して来ました。

具体的には、

歯を本当に大切に考えて下さる方々に

私のコダワリを発揮しています。

歯を本当に大切にして下さる方々の

これまたコダワリと、

満足感を得ることは、

ソレハ此方も

必死に歯に向き合わねばなりません。

ですから、

無我夢中の四半世紀だったと思います。

まだまだ私は未熟です。

名医であるとは思いません。

ただ、

誠実な歯科医師であることだけは、

頭のど真ん中に置いて、

日々を過ごしています。

ですから、

煩い頑固な歯科医師でしょう。

最近のニュースで、

自動車を煽って大きな事故を起こした男性が

問題になっておられますね。

私自身も、

同じように、

煽られた経験が在ります。

余裕のない人が増えたのでしょう。

私の診療所の中においてだけは、

ゆっくりと、

本音で、

歯を通じて、

健康と向き合って頂きたいと、

それが、

私の心底からの願いです。

 

 

 

私の日常

思い出して下さい。

この症例です。

インプラントの埋める位置の誤差にて、

可哀想な状況です。

インプラント、審美って流行りですが、

これでは審美とは言えません。

骨の無い処に、

無理やりインプラントを入れてるんですね。

インプラントするためだけの

歯科治療になっています。

悲しいですね。

当然、インプラントは撤去です。

インプラントの位置は、

歯の生えている本来の位置に無いことが

良く判りますね。

歯肉が大きく陥没しています。

この症例は本来はインプラントの症例ではありません。

ブリッジの症例です。

現状、

インプラントを撤去した部分には大きく骨が欠損しています。

この部分に骨を補う必要が在りますが、

移植材を完全にカバーする歯肉が全く足りません。

で予め、

歯肉移植を行って、

充分な歯肉の量を

前もって、

歯周外科にて造ったおきます。

仮のブリッジを入れた状態です。

ブリッジを外すと、

大きな陥没がお分かりになられると思います。

隣あった歯に接した歯肉が盛り上げっているのは、

手術の際に苦労して、

無理やり造った形態です。

ブリッジが入った際に、

歯と歯の間に、

歯肉が自然な形で充たしてくれるようにするためです。

で、

骨の造成の手術です。

隣あった歯の表面を被う骨も薄いですよ。

こんなに骨が薄いんです。

骨補填材が骨の幅の半分以上に達していますね。

両隣の歯の表面も、

補填材で被い、

移行的になるように、

補填材を追加します。

で、

吸収性の膜にて、

補填材をカバーします。

で、

縫合。

その後、

飛行機にて上京したのです。

帰宅したのは昨日の午後10時前でした。

 

師匠と不肖の弟子

週末の都内での一幕です。

師匠である内藤正裕先生です。

青年期から今日に至るまで、

師匠が私の支えで在りました。

頑張り処、

踏ん張り処の、

最後の最後の徳俵的な存在の必要性に迫られた際に、

師匠の生き方が、

私の力の源となり、

戦う力が湧き出てきたように思います。

いつまで経っても、

私は不肖の弟子の見本です。

夜、

食事の際に、

スマホから、

あるモノを見せて下さいました。

三枝君、

俺が1番好きな絵なんだよな!

 

ラ.トゥールの代表作である【大工のヨゼフ】です。

数ある絵画の中から、

この1枚を選んだ師匠の生きた軌跡を

私は気づいたのです。

 

 

歯周病の治療は縺れた糸を解すように

歯周病に罹患しているにも関わらず、

修復処置を行うと、

ご覧の通り。

患者さんから歯科医学への

信頼を失うことになります。

旧修復物を外し、

歯茎が喜ぶ環境を整備しなければなりません。

先般、

ブリッジの土台となる大切な歯に

亀裂が見つかりました。

抜歯になります。

しかし、

周囲の歯肉の環境が抜くには

まだ整っていません。

で、

周囲の歯肉に対して、

歯周外科を行い、

仮の歯を装着しました。

今日の状態です。

今まさに歯茎は熟成の最中に在ります。

問題の歯は抜歯しました。

薄く茶色に染色液に染まっている

歯の長径のど真ん中を走る筋が、

亀裂線です。

根の先のブヨブヨした組織は、

亀裂から感染した肉芽組織です。

今日はこのような状態に手当てして治療を終えました。

後は、

歯肉の完全熟成を待たねば、

次のステップには進めません。

治りきるまで、

ジッと待つ。

コレが大切なのです。

 

 

古い方が良かったモノ

夜、

息子とその愛犬アール君と

芦屋の街を散歩していたら、

偶然、

アルファロメオの店のショーウインドーが

目に入りました。

在った!

発売仕立てのジュリアです。

凝視する私。

息子は私の顔を凝視しています。

で、

父ちゃん、どう思う?

俺は要らねぇな!

ジュリアって車には、

思い入れが強いのです。

コレが【愛しのジュリア】と呼ばれた

本当のジュリアなのです。

何でもかんでも新しいモノが良い訳ではありません。

確かに、

夏はクーラーが無いので暑い!

でもね、

それでも窓を閉めきって、

涼しい顔をして、

ハンドル握るのが、

通のアルフェッタなのです。

冬はエンジンのかかりの悪いこと

この上なし!

チョークを引き引き、

エンジンを吹かす。

コレが愛しのジュリアの始動儀式でもあるのです。

年に1度の割合で、

元気いっぱい取り戻すジュリア。

普段は、

車に気を遣って気を遣って

乗らねば、

いつ止まるかも判らない

気儘なジュリア。

それでも、

そのスタイリングの良さと、

元気の良い時?のエンジンサウンドに魅了されるのです。

誰でもお金さへ支払えば乗れる車って、

名車ではありません。

 

まだまだインプラント治療も現役ですよ!

最近ブログにて、

総入れ歯の話題ばかりであったので、

三枝は、

もうインプラントを引退したのか?

そんなことを

某自称審美インプラント歯科医が言っているようです。

大きなお世話だい!

仮に私が引退した後の御隠居仕事であっても、

あなたの全盛期の仕事よりは、

遥か彼方のレベルには在りますから、

ありがとうございます。

心配無用です。

社会のために、

あなたが早々に引退すべきでしょう。

この患者さんは、

下顎に歯が1本もありません。

インプラントにて修復する予定で、

着々と手当てを進めています。

アバットメントは、

その状況状況によって、

インプラントと連結する時期を変えています。

ソレハそうでしょう?

だって全てのインプラントは、

場所は骨の状況によって、

骨との結合のスピードは違いますから。

マニュアルに乗っ取った治療も良いですが、

臨機応変に治療を進める方が

利にかなっていると、

私は考えています。

 

20年経過の総入れ歯

私の患者さんは、

何故か女性が多いんです。

今日、

久し振りに男性の患者さんが、

総入れ歯のメンテナンスでお越しになりました。

下顎は全てインプラント支台でのセラミック修復です。

インプラントに関して、

全くノートラブルです。

総入れ歯は、

現状このような状況です。

男性的な総入れ歯に造っています。

奥歯の金属は、

素材的に工夫しています。

20年経過症例です。

私の書斎

この診療所を新築して10年経ちました。

院長室にはモノが溜まる一方です。

書棚も大きなのが、

2つほど写真には写っていない壁に在り、

専門誌がギッシリと。

床の上には、

専門誌以外の読書したばかりのモノが

積み重なるばかり。

デスクの向かい側には、

大きなソファーと革製のお気に入りの椅子。

で、大きな書棚。

此処で、

私のアイデアが生まれてくるんです。

個性

仕事を早めに終わらせて、

神戸市へと。

で、

一泊。

明朝は朝5時ごろに当地を出発し、

明日の診療を通常とおりに。

その翌日の金曜日も、

最終の羽田行きのフライトにて上京。

帰りは日曜日の羽田発の最終便と云う塩梅。

来月も東京、広島へ。

休日は確実に減っています。

そういえば、

モーターホームの床工事ですが、

床一面に断熱材を綺麗に敷き詰めました。

次は床材を本格的に敷き詰め、

仕上げに入ります。

まぁ、其れなりに完成するのは、

年末頃でしょうか?

来年は外装へと移りたいと思っています。

先日、

金属のクラウンの調整をしていました。

患者さんから尋ねられました。

噛んでも具合が良いんですよ。

あと、

先生、何をそんなにイジクッテるんです?

クラウンは歯科技工士さんが造ったんですがね。

其れは歯科技工士さんの作品であって、

私の個性が入ってないんです。

歯科技工士さんが佳く造って下さってますよ。

でもね、

私のんじゃ無いんです、これは。

だから、

クラウンに私の癖と云うか、

魂を入れてるんですよ。

何事にも、

出来合いの無難なモノってのを、

私は好まないんです。