一般の方が思っておられるよりも、歯の型を採る治療過程は技術的に難しいのです。
削った歯の型を採る際には、削った箇所を正確かつ精密に写しとらなけらばなりません。
これが出来ていなければ、ピッタリと適合した被せものはできません。
被せた境目から虫歯になったり、被せものの境目が臭いのは、正確な歯の型採りが出来ていなかった証しです。
入れ歯を造る際の型採りは、被せものを造る際の型採りとは全く違う意味合いをもちます。
入れ歯は、歯が無い部分にいれる人工物です。
ですから、型を採る部分には歯がありません。
口の中には、絶えず動く舌が中央に鎮座して、頬、唇が外側を覆い被さっています。
この頬、唇も絶えず動く筋肉で出来ています。
入れ歯の下の粘膜も、ブヨブヨしています。
歯のように決して硬い組織ではありません。
入れ歯を造る治療は、この様に動きまわる粘膜や筋肉で囲まれた難しい環境でおこなわれます。
ですからピッタリ入れ歯をお目にかかる機会が少ないのでしょう!
歯科医師が、造るのが難しい入れ歯より楽に噛めるように出来るインプラント、しかもインプラントは高額ですから、
インプラントに走るのは当たり前かもしれません。
この私もインプラント治療に携わって26年になります。
確かにインプラントは優れた治療方法ですが、決して万能な魔法の治療ではありません。
これは上手!と思えるインプラント治療をしている歯科医師は本当の処はとても少ないのです。
最近はホームページが普及して、様々な歯科医院の治療の実例が閲覧出来ます。
内心、本当にこんなんで良いと感じてるの?と思えるものの数の方が多く、
症例写真よりも、いったいどういう人なんだ?と歯科医師の顔を眺める時間の方が長い私です。
入れ歯の治療の際の型採りは、、型を正確採ると云うよりは、型を造ると表現した方が正しいでしょう!
入れ歯を取り囲む周囲の筋肉や粘膜の動く様子の形を造り出すと言った処でしょうか?
入れ歯が下手な歯科医師のインプラント治療は、たかがしれたものです。
大掛かりなインプラント治療が必要な患者さんは、インプラントを入れる前に
仮の入れ歯を造って貰えば良いでしょう。
この際に、簡単に完成させる歯科医師ならば、インプラントを委せるのは危険でしょう!
入れ歯の治療は、歯科医師の技術と知識の結晶と賜だと思います。