お茶の水駅の構内を出でて、
聖橋を渡りながら、
眼前に
対照的なる【白い巨頭】の建物が、
街を圧倒する気を発しながら、
そびえ立っているかのように観えます。
官学の東京医科歯科大学と、
私学の順天堂大学医学部です。
順天堂の建学者は、
幕末動乱期に幕府への義を貫いた会津藩と
新政府の間で交わらせた戊辰の役の大きな戦いにて、
会津藩側へついた骨ある医師でした。
この二人の建物が並ぶ様を、
私は感慨深く眺めながら歩いています。
自主独立が建学の精神である日本歯科大学で教育を受けし私が、
順天堂贔屓になるのは、
自然の理であるかもしれません。
天皇陛下の手術を執刀した医師を輩出したことから、
順天堂の名前は一躍、
更に世間からの高い評価を得られたことでしょう。
順天堂の小林弘幸教授の著作も、
一見の価値高いものだと。
名医の定義、
良い医師の定義、
それを明言できません。
が、
私は小林教授は名医の一人であると思います。
それに至るまでに、
辛酸辛苦を味わい、
それでも、
素直に自分と向き合い、
ご自身の立ち位置を定めたことが、
痛いように伝わるのです。
要領良く生きる人、
なんとかなるさと流れに身を委せる人、
今だけに生きる人、
そんなことに無関心な人、
夢を抱き挑む人、
生きざま色々在るのでしょう。
私は大いに勉強になった小林教授の書籍でした。