これからの私


私の歯科医師人生も、

既に30年も過ぎたようです。

思い返してみれば、

患者さんが最良の師であったように思います。

人の身体と云う神秘さに満ち溢れたものの不思議さに、

多くの事柄を自然と学んだように思います。

治療の経過からは、

診断のあとの治療の選択基準を、

確かな証拠から、

決定できるのも、

これも患者さんのお蔭です。

専門職としての暮らしも、

治療行為と云う責任ある仕事故に、

大いに考える処あり。

これも患者さん在ってこそ気づいたものです。

患者さんが亡くなってから、

初めてご家族から聞かされるエピソードに、

涙する機会が少なからず在ります。

そこまで喜んで頂いていたのかと、

再び、

衿を正す機会を、

患者さんから教えて頂く機会も在ります。

しかし反面、

仕事柄顔と口にこそ出しませんが、

このような人には決して成りたくないと、

秘かに、

その方が他の医院へ転院して欲しいと、

そのような心境に陥る機会も在りました。

患者さんを通じて、

学、術、道を

学ばせて頂いた30年だったと思います。

これからも私は成長し続けたいと思います。

できてば、

穏やかな心で、

包みこむ包容力で、

患者さんと接してゆきたいと思います。

私のカトリックへの改宗の

ひとつのキッカケでも在ります。