観るも無惨なる状況になって、
初めて、
私の診療所を思い出してくださるのでしょう。
高度に進行した歯周病に加えて、
クラウンのなかじゅうイッパイの虫歯。
序でに歯の根が折れ歯茎が腫れ、
そうでない処は、
不完全な根管治療の結末での骨の中の大きな空洞。
ご丁寧にシッカリと連結されたクラウンたち。
恐らく、
何処から手を付ければ良いものか?
そんなこんなで、
トロトロしている最中に、
患者さんから大丈夫だろうか?
と、見放され、
で、
清水の舞台から飛び降りるような気持ちで、
私の診療所の階段を上がって来られたのだと思います。
新しい患者さんの状態を診察しながら、
つくづく感じますのは。
本当に良い師匠たちに育てて頂いた幸運です。
【歯周補綴】と云う学問的ジャンルの洗礼を浴びた
私は誠に幸運であったと。
患者さんの側では、
診た瞬間に、
診断から治療方法まで、
簡潔に説明して欲しいと思うのは当たり前です。
しかし、
ここは慎重に、慎重にの姿勢を崩す訳にはいきません。
なぜなら、
初対面で、
人の全てが解る筈がないように、
その方々によって、
治り方も様々です。
将棋ではありませんが、
じっくりと、
じっくりと、
小さな小さな治療の組み合わせと、
積み重ねから得た【診えるもの】から、
初めて、
その患者さんの個性と言いましょうか?
身体の【質】が感じ採られ、
で、
そこで初めて診断と治療方法が決定されるのです。