親バカ


朝から、

気合いを入れて【根管治療】。

上の側切歯です。

前医の為したメタルボンドクラウンを外し、

慎重に、慎重に、

メタルコアを外し、

で、

古い根管充填材を取り除き、

マイクロスコープにて、

恐る恐る、

根管の先っぽを視ると、

アヤー!

破壊され尽くされ、

ズボズボ状態になった哀れなる根尖孔が。

当然のことながら、

歯質は薄くなるまでメタルコアのために削られているのです。

若い先生なら抜いてインプラントって処でしょう。

へそ曲がりの私です。

と云うか、

私は【歯科保存学】の【ありがたさ】を、

この頃ますます実感するのです。

一生懸命やっても、

10年モタナイかもしれません。

でも、

10年長生きできたとも言えるでしょう。

その間に、

歯科医学の進歩なり、

私の進歩があるかもしれません。

そこから再び10年モタセられるかもしれません。

抜くのは最後の最後だと、

私は決めています。

そんなこんな治療を終えて、

ふと、

せがれに電話をいれたら珍しく、

どうしたん?父ちゃん、と。

何でも今、午後の授業前の昼休みなのだそうな。

親は必死で働いて、

せがれは余裕綽々と云う、

大いなる矛盾を覚えつつ、

自分もそうであったことを

これまた大いに自覚していますので、

心内には触れずに、

飯食ったか?

と云う何時もの台詞で、

また午後の診察へと舞い戻ったのです。