進歩


今日、娘の小学校の卒業式です。

が、

私は出席しないことにしました。

随分と前に、

息子の式に出席した際に、

もう次からは止めようと思ったのです。

遥か昔の自分の卒業式にて、

泣いてる親子が居ました。

馬鹿じゃないか?

と、永遠の別れでもあるまいし。

卒業式での涙の意味を

私には理解できなかったのです。

が、

息子が壇上にて頭を深くさげて、

大きく両の手を広げて証書を手にする姿に、

息子との過ぎ去った思い出の数々が脳裏に浮かび、

ついに私は、

目頭が熱くなってしまったのです。

目から浸出した水分が、

頬を伝わるほどまでの量に至ってはならない!

両脇のご父兄に悟られてはならない!

必死の想いと、

狼狽した心と、

温かな心持ちで、

頭の中が混乱した記憶が今、甦っています。

しかしながら月日の経つのは速いモノですね。

黄色いカバーで被われた赤いランドセルに

押し潰されているとしか観えなかった娘が、

既に凛々しいお姉さんの顔に変わったのに

気づいています。

私だけが、

何ら進歩していないな!と。