幸せな男


先週末は仕事終わりの直ぐに、

車のハンドルを握って阪神方面へと出向いていました。

瀬戸内海に面した幾つかの県庁所在地のなかで、

街と瀬戸内の光景が最もマッチし、

美しい情景在るのが高松市だと、

私は車窓からの眺める度に、

その様に感じるのです。

世間では休日を楽しんでいる様相を余所に、

相変わらず私は、

昨日も朝から夜まで、

せわしなく動き廻っていたのです。

どのような些細な事象にも、

すべて歯へと結び付けて考へ、

歯の治療に役にたつ様にと、

そんな身構えで、

過ごす様になって随分と経ちました。

自然科学の分野が幾ら進歩したと云えども、

未だに解っていないメカニズムの方が多いのが現実です。

歯についても、

不思議で不思議でタマラナイ事の方が多いのが

現在でも私の本音です。

歯の魅力に取り憑かれたのですよ。

私は歯医者になって良かったと感謝しています。

せわしなく動く私でさえも、

海岸通りから磯上通りへと歩いていた、

ふとした瞬間、

ハーバーからの春の風を頬に受け、

生きている事を実感したのです。

歯の仕事で生きて、

歯の仕事で生涯を楽しむ。

私ほどの幸せな男は、

そうざらには居らんでしょう。