父息子


最近になって久しぶりに息子が帰って来ました。

ガールフレンドに振られたのだそうです。

本人曰く。

消化できたのだと。

私ですか?

ニコニコ聞いてました。

で、

良かったじゃないかと。

春です。

この季節には、

出会いと別れが織り混ざりながら花満開を迎えます。

息子にも春が訪れたのだと。

これからは、

満面の笑みを浮かべて飲む酒、

悔し涙を流しながらの酒、

淋しさに膝を抱えて飲む酒の味も覚えるでしょう。

それで良いのです。

そうやって大人の男の顔になるのです。

ただ、

爪先だけは1歩、

前へ前へと歩みを留めないこと。

進んでこそ日本の男です。

父たる私は、

黙って、

息子の杯に灼してやって、

さぁ飲め、

もっと食べろ、

ただそれだけしか出来ませんが。