私は古い自動車が好きです。
新型のポルシェやフェラーリが買えないからかもしれません。
が、
もしも年末ジャンボで大金を手にしても、
やはり新型のポルシェやフェラーリには見向きもしないでしょう。
自動車関連の書籍は好んで読みます。
が、
どれもメーカー御用達評論家の意見だと感じます。
それは、そう遠くない昔、
私も其れなりにアレコレと自動車を乗り換えたからです。
新車は、其れなりに綺麗ですよ。
傷んでませんから。
自動車って、納車の時が最高に綺麗ですから。
それからは傷む一方。
自動車それぞれの癖も生じてきますし。
普通は10年も乗れば、
まぁ良いかってのが、自動車への一応の評価でしょうね。
そこを考えると、
ヴィンテージ.カー所謂クラッシックカーって凄いと思いませんか?
半世紀も経っても、
美くしさ、鮮やかさが色褪せていない。
私は古いアルファロメオが好きなんですが。
クーラーなんかありませんよ。
夏の最中、
窓を閉めきって、
傍目には涼しい顔をしてハンドルを握る。
コレがクラッシックカーを運転するっていう【やせ我慢】なのです。
判る人には判って貰えるんですけど。
歯の治療も自動車と同じですよ。
セラミッククラウンを入れた時が、絶好調な時。
そこからは傷む一方です。
ですから、
歯の治療は終わった時からが、
本当の始まりなのです。
患者さんの人生と共に、
私らの仕事の結果は当然ですが、劣化して行く一方です。
傷んでも、
修理したり、
修正したり、
メンテナンスしながら、
残していくことに意味が在るんです。
私はインプラントのクラウンを本付けすることはありません。
何時でも、外せるようにと。
何時でも、ネジの疲労を確認できるようにと。
正常範囲外の力が加わると、ネジが弛むようにと、
そうブローネマルク博士の教えですから。
歯の治療の限界が解れば解るほど、
古い自動車の凄さが、
もっと判るようになりました。