私は歯科医に成りたくて成りたくて、
この世界に入りました。
と言っても、
何度も何度も大きな壁にぶち当たったのも事実です。
仕事の苦悩は、自分自身の頭で考え、
考えが至らない時は、
其れこそ闇雲に動いてでも、
打開の糸口を自ら探さねばなりません。
これがプロの宿命だと思います。
その一方において、
男ですから、家族の幸せのためにと
自分にムチを打って喰いシバって働いてきました。
私が倒れれば、家族が路頭に迷いますし、
少しでも豊かな暮らしをさせてやりたいと思っていました。
父親軽視の時代と言われています。
満ち足りて、何かを見失った人が多いのでしょう。
私は個人の零細歯科医ですから、
事業家のような豊かな暮らしをさせれません。
真面目に、誠実に仕事に命をかける男の背中しか
家族に見せる事しか出来ませんでしたが。
私も既に53歳です。
老いの域に入っています。
が、診断力と治療技術は益々、向上させようと
人には判らぬ努力は惜しんではいません。
仕事に対する情熱の冷めることは生涯、無いでしょう。
が、プツンと、何かが切れたと、
現状、私は感じています。
其れで尚、一層に歯の仕事に邁進出来るのであれば、
それも在りと、
そう感じています。