歯を残す.神経を残す


先のブログにて、

抜歯の原因の半数が

歯根の破折であると云うことに大いに反響が在りました。

これはそもそも、歯の神経を採る事が発祥です。

と言っても、虫歯が進んで神経にまで至れば

神経を採る治療がルーチンです。

私の問題提議が此処に在りました。

で、現状では

私的には、虫歯の進行を食い止めて、

歯を殺す治療は、ほぼ無くなりました。

歯の根の破折についても、

殆んどの症例において、抜歯する機会が無くなりつつ在ります。

但し、歯科治療と云う仕事柄、

術者の器用不器用にも左右されます。

技術的に難しくないように、

歯科医師ならば普通に出来る簡単な手技になるようにと、

手を加える処に科学の存在価値が在ります。

特殊技術から普遍的治療にチェンジするために

研究の大きな意義が在るのです。

毎日、母校の岡先生からの研究結果が報告されてきます。

私が、この研究を岡先生に委ねた大きな理由は、

岡先生の堅実な性格と歯科学生への教育への大きな情熱を

日頃からヒシヒシと感じていたからです。

モノ言わぬ微生物やたんぱく質の声なき声を

キチンと感じる誠実さが、

日々の研究結果の賜物だと考えています。

私らは、心底から病気と戦う心構えを忘れてはおりません。

青臭いかもしれませんが、

男とは、そういう生き物だと思うのですが。