今から20年程前の、30過ぎた頃であったでしょうか。
突然、キャンピングカーに興味を持ち、専門誌を読み漁り、1年程は研究したと思います。
こういう都合の悪い買い物をする際には、私は誰にも言いません。
納車してから、家族に見せて、叱られても後の祭りであるから、
その時はその時のことであると、腹を決めるというよりも、
欲しくて欲しくて堪らない!という自分を抑えることの苦手な欠点が勝ってしまう結果と言って良いでしょう。
日産アトラスというトラックベースのEXEという往年の名車を納車した時の感動は
とても大人の男のモノではなく、単なる阿呆だったと今では思っています。
今では社会人となった娘が3歳の頃で、生意気盛りの愚息も赤ん坊であったころ。
仕事も忙しく、若い初代の歯科医業の私でしたから、世間の休みには何処のホテルも満室で、
このキャンピングカーを買って、本当によかっただろうと、家族に対して大きな態度で臨んだモノです。
2年程、この車には乗りました。
私の欲望は限りなく大きく膨らむのは、元来のモノか、
ハタマタ親の育て方が悪かったせいか解りませんが、
もっともっと巨大なるキャンピングカーを欲する欲望がメラメラと燃え上がり、
この際にもヤハリ内緒で話しを進めて、
次には、其れこそ今でもこのキャンピングカーを凌駕する車は出ていないだろうと信じております
フォード社のエコノラインEー350をベースにカナダで製造した伝説のBCバーノンの19フィートのモデルを
我が物としたのです。
別れた先妻は、この車との初対面の際に、黙って車の周囲を1周し、
怒りに燃える瞳で黙ってその場から去って行った姿を、
唖然として娘と二人で見送っていたのが、今では可笑しくもあり、
懐かしい思い出となりました。
この車は随分と長い間、楽しませて貰いました。
42の歳までは使ったと思います。
娘と二人の生活になり、生活の規模も縮小する都合で、
それでもキャンピングカーは私の生活の一部でもありましたから、
キャンピングカーは手放して諦めるのではなく、
ダウンサイズして、今度はダッジラムベースを、これもカナダで製作したプレジャーウェイという車に変えました。
先の想いとは大きく異なり、家族も増えて、この小さな車では窮屈となったというのを
私特有の言い分として、
再び、BCバーノンへと回帰したのです。
ただ戻るだけでは芸がないので、前回よりも更に巨大なモノに進化?させ、
私は大いなる満足こころに浸ったのです。
余談ですが、私のプレジャーウェイは、紀子様の弟君が購入され、先の東北大震災の際には、
慈善活動の拠点としてお使いになられたとのこと。
で、新しいバーノンは予想に反して、数年で手放してしまう羽目となりました。
私はキャンピングカーオタクには違いありませんが、
歯の方がモットモット大好きです。
キャンピングカーは、仕事の合間の気晴らし程度?だという意識でしかありません。
今の診療所の新築の構想や設計でクタクタとなり、
また、より良い診療所を造るためには質素倹約に努めなければなりません。
で、泣く泣く私のキャンピングカー遍歴は終わりを告げたのでした。
幼い娘たちも、ありがたいことに順調に成長しています。
パパ、パパとくっつく機会も減りました。
もう少しで、私の連れは犬のマリリン位になるに違いありません。
再び、しばらくはキャンピングカーの勉強でもして、
気分転換の糧を創ろうと考えています。
が、勿体ないな!と、感じるようになったのは、
私も少しは成長したのでしょうか。