いざ、新しい症例に対しては、
病気の原因なり、痛み、機能障害に対して、挑む心構えで相対している自分を感じます。
その様な時に、歳は既に初老の域に達している私ですが、
自分の中に、未だ熱い想いを、情熱的な命の叫びのようなモノを感じるのです。
また、私の診療所へとお越しになられる患者さんの治癒は、
ほぼ全てが、他での再治癒のためでありますので、
これは意図的に自覚はしていませんが、
前医との剣術に於ける立ち合いのような姿勢になっている自分を感じます。
歯科の治癒の殆どが、症状に対する対処療法の意味合いをはらんでいますが、
その病気に至った原因に対する根治療法に考えを及ぼす必要があると感じます。
ですから、私ら臨床家は、
別段、最新の治療を採り入れる事ばかりに気を配る挑戦的心構えも必要ですが、
そればかりでなく、全方面に対する目配りを欠く事のない方面への挑戦的心構えに重きを置くべきと考えるのです。