墓参りの・ついでに


某歯科メーカーが・得意先のために作った・予約帳を愛用しています。

この類のモノは・なんでも良い訳では・ないのです。

患者さんからの・見た目の良さは・勿論のこと、

ページを開くと、

1週間の・チェアの稼働状態が・一目瞭然であることが、

必須条件なのです。

この予約帳、

今年は、オリンピックが開催されるのか、

はたまた、

新型コロナウィルスのせいで・断念せざるを得ないのか、

判断できない時期に・最終構成を迎えたのでしょう。

で、

このメーカーは、

オリンピックは・断念と・判断したのでしょうね。

祝祭日が・例年通りで・製造されていました。

カレンダーよりも、

日々の・動きを、

この予約帳・中心に・構成し、

カレンダーなど・見る習慣など・無かった私は、

先週の月曜は仕事を、

で、

水曜日を祭日だと・思い込んで・おりましたので、

昨日は・お休みを・いただき、

先祖の・お墓の掃除へと・高松市の郊外へと・足を運んだのです。

猛暑の盛りの・猫の額ほどの讃岐平野の外れの・高台に、

先祖の墓地を移築したのは、

私が・高松市に診療所を・構えたのと・同じ時期。

開業資金として・銀行から借り入れしたものから、

墓地資金を・拝借したのは、

これから始める診療所の仕事、

ご先祖さまの・力に・すがる想いが・あったからです。

開業当初の数年間は、

本当に・しょっちゅう・お墓参りに・行っていた・モノです。

私の診療所のスタイルは・独特なモノです。

軌道に乗るまでは・大変でした。

もう・いっそ、

一般の歯科医院のように・戻ろうかしら・とか、

難しい症例に遭遇した際には、

もう・ダメだ!

自分には・まだ・力不足であったのかも。

そんな・迷い、叫び、不安からの怯え、

随分と・長い年月を、

心穏やかに・暮らせることは・無かったですね。

どうして・歯科の道に・入ったのかしら。

どうして・修行僧のような・イバラの道を・選ぶのかしら。

そんな・想いを・払拭するために、

いそいそと、

墓地へと・足を運んでいた頃を・懐かしく・思い出します。

患者さんの・病状の原因への診断、

そして・治療方法と、その実際は、

耳に・歯の声が聴こへ、

治療方法は、

脳裏に・天から降ってき、

実際の治療は、

手先が・勝手に・動くことで、

自然に・無我を創ることで、

成り立つことが・判る歳に・なって・しまいました。

欲という・邪魔が、

全てを・台無しに・することが・判る歳に・なりました。

墓石に・近況を語りながら、

お盆の準備を・清楚に整へ、

墓地を後にした私は、

思いついたように、

今度は、

全く正反対の方向へと、

坂出市に向かって・車を向けたのです。

向かった先は、

市役所に問い合わせて・調べた・坂出市塩業資料館。

私の家は、

元来は・播州赤穂の出。

塩を商い・していた事から、

屋号を・当初は、

潮金・と名乗って・いたことを・思い出したのです。

良い・資料館でした。

幼少期の・記憶にある・塩田風景が・懐かしかった。

ほんに・瀬戸内海は・美しくもあり、

懐が・あたたかい・のです。