少年時代、
偉人の伝記に夢中になりました。
で、
あぁ云う人になりたいと、
憧れたモノでした。
それが人生って速いモノですね。
もう、
人生の終盤に入った私です。
未だに未熟者で、
秘かに情けなく思っています。
歯学博士の称号を28歳で頂いた頃、
私は生涯の師となる歯科界の巨星との縁を頂きました。
東京都麻布開業の内藤正裕先生です。
が、
先生とは同門ではありません。
ですから通常であれば、
私など可愛がって頂く環境にはありませんでした。
神様、仏様のお導きだと、
心から感謝しています。
私の診療台の目の前には、
先生のお写真を額縁に入れて掲げています。
治療の要所、要所にて、
先生のお顔にチラッと視線を向けて、
先生の目を意識し、
自分を戒めるためです。
また、
何か悩みがあれば、
何か迷った際には、
必ず先生に問うのは、
今も変わりありません。
先生は73歳になられてました。
今でも精力的なのは、
これも今でも変わりありません。
私はアル面において不幸です。
何故なら、
いつまで経っても、
師に追いつけないからです。
私が進歩しても、
悔しい哉。
師は先に進んでいるのです。
これは歯科医学の分野だけではありません。
全ての局面において、
私は生涯、
師に追いつけないでしょう。
今日、
ご紹介した師の写真は、
先生の休憩室での日常風景です。
私は最近になって白衣を纏って診療するようになりました。
それは大学病院では白衣がユニフォームですから
私も着る機会が増えたからです。
以前は、
ワイシャツにネクタイ、
で、
ベストの格好で、
患者さんと向き合っていました。
思うところがあって、
最近、
白衣に変えたのです。
大学の学生諸君に、
医師たる覚悟と嗜みを
観せるためです。
また、
ホームページをご覧になってお越しになられる方は
私の診療所のスタイルをご存知ありません。
初対面で会う私がスリーピースを着て応対すると、
とても緊張されておられるのが、
伝わってきたからです。
が、
昔からの患者さんからの
私は白衣姿の評判の悪いこと!
先生は白衣が似合わない!
落ち込むんですよ。
医師が白衣が似合わないって、
妙な気分になるじゃないですか。
と云って、
堅苦しい格好だと、
初診の患者さんが緊張なさるし。
また、
手術着を普段から纏っている歯科医師を
私は、
すみません。
小バカにしています。
野暮な奴だと。
私が患者としての立場であれば、
そんなセンスの歯科医師に、
自分の大切な歯は絶対に触らせません。
手術着は、
あくまでも手術の際にだけ纏うモノです。
また、
大学病院での、
口腔外科、麻酔科の歯科医師が
身に付ける衣装です。
その違いを判らない歯科医師に、
歯科医学独特のアイデンティティーは
絶対に理解できませんから、
上品で良質な歯の手当ては無理でしょうね。
これは私の師も同じ感覚であったので、
秘かに私は自分のセンスに安堵したのです。
治療において、
物凄く工夫するモンです。
それはプロですから、
当たり前ですよね。
でも、
患者さんへの
自分の見せ方、
話し方、
他にもイッパイ思案する毎日です。
少しずつ、
診療所の設備や備品、
治療方法も、
進化させねばなりません。
そんなよもやま話しを師に語ったら、
宅急便が届きました。
師の診療着でした。
そこから【考えること】は、
弟子たる私の責任です。
人生において、
誰を師と選ぶか、
それが決め手になると確信しているのです。
私は幸せ者です。