祈り


5年生の病院実習の際に、

なついて・いた学生が、

もう半年先に迫った国家試験を前に、

不安感で、

切羽・詰まったンでしょう。

6年生の教室の前を歩いていた私の顔を見つけるや・否や、

先生、もうダメだ!

で、

私ですか?

代わりに・試験を受ける訳にはイキマセンから、

ポケットから、

ロザリオを出して、

お前に預けておくよ・と。

見事、

歯科医師免許を取得した際に、

コレを、

俺に・返しに来い!

と、

掌に、

私の御守りを置いてのです。

誤解しないで下さい。

別段、

私は信者獲得の布教者では・ありません。

ただただ、

教え子・可愛さ・だけ・ナンです。

現状、

歯科医師国家試験は、

資格試験の体を為していません。

もう、

選抜戦と云う状況です。

コレでは・良い臨床医など、

生まれないでしょう。

ガリ勉、ペーパードクター養成の青春期を、

歯学部の学生たちは、

無理強い・されてるんです。

医療人としての、

最大の条件は、

競争に【勝ち抜く】ことでは・ありません。

懐深く、

患者さんを・暖かく【包み込む】ことだと・思います。

だからこそ、

勉強もし、

技術の向上も、

自らの強い意志で、

自分に科すンです。

どうか、

後進たちが・立派な歯科医師に育ちますように。