人の性格は経験から変化するようです。
メスを手にする仕事に従事してきたからかもしれません。
メスは万能ではありませんが、
それでも、
治療のためにリスクを背負ってでも、
私はメスを手にします。
それが私の仕事だからです。
幼い頃から時代劇が好きでした。
武士の潔さを尊び、
反面、
自分が同じ立場であれば?
私には到底に其の自信はありませんでした。
しかし、
傍目からすれば、
何を考えているのか解らないと言われるほど、
悠然としているように観えるのだそうです。
あるパイロットから聞いた話しです。
パイロットの腕の見せ処は着陸の際だそうな。
それでもイメージ通りの着陸が出来たことは、
ただの一度も無かったそうです。
向かい風に機頭を向けて下降する飛行機は、
思いもよらない横風に絶対に煽られるのだそうです。
乗客に気づかれないように快適に、
毎度、毎度、
ヒヤリと背中に汗というのが、
パイロットの着陸時の実際なのだそうです。
そうなんだ!と。
傍目からすれば、
当たり前の、
全く気にも留めていない着陸の際の、
ドラマに感動しつつ、
パイロットのプロ魂に感謝したのです。
当たり前のことを、
素人の方から当たり前に感じて頂くことの陰に
プロは、
日々、
小さなことを大切に大切に積み重ねる努力を重ね、
ある局面においては腹を決めて突き進む。
それがプロの所作だと思うのです。