高校生のお嬢様を連れてお母様がお越しになりました。
事故に遇われたお嬢様は、
現在、他所の歯科医院にて治療中であるとのこと。
しかし、
どうしても治療に関して心配で堪らず、
それがお母様のお訴えでした。
事故の状況、
その後の歯科治療の具体性について
アレコレ問診させて頂いたのですが、
私には、全く理解できません。
歯科医師の私が理解できないものを
患者さんと親御さんが理解できないのは当たり前でしょう。
治療中と云う現状は、
正に悲惨なモノでした。
訳の解らない得体の知れないモノを
とりあえず除去しました。
何と云うことでしょう!
上の前歯がバッサリと折れています。
その折れた隣の前歯には、
下手くそ!なコンポジットレジン修復が為されています。
レントゲンでは骨に異常はありませんでした。
折れた歯は、神経が既に死んでいました。
残念です。
事故直後であれば、
三枝メソッドにて歯は死ななくても良かったのに、
内心で歯軋りしたものの、
今時、このような処置を平気で行う歯科医師に
驚きました。
とりあえずは、
折れた前歯にはその場で仮の歯を装着して、
汚いコンポジットレジン修復を外して、
やり直し、
次から精密検査へと。
私たちの日常は、
【めんどくさい】ことの連続です。
【めんどう】だから
【しない】のではなく、
【だからする】
その繰り返しが、
いつしか【さま】になり、
【美しさ】へと変わってゆくのだと思います。
そのこつは、
【こまめ】に行うことだと、
そんな風に気づかせきれたのも、
日々の歯科治療でした。
私にとっては、
歯科治療は仕事ではありますが、
自分研きの大切な所作でもあるのです。
街を歩きながら、
喫茶店の中でも、
お行儀の悪い方を見かける機会が在ります。
残念なことですが、
時たまに、
私の診療所へお越しになられる方にも、
無理の言い放題と云う方を見かける機会も在ります。
その様な方にとやかく云う積もりはありませんが、
私は内心で、
ああには成りたくないと思っています。
美しくないことを自覚できない方は
本当に不幸な方です。
身だしなみも大切ですが、
所作や心様の美しさを保つことに
気をつけて暮らすことに努めたいと思います。