叔父の思い出


最近、藤原正彦氏の著作に嵌まっています。

床に入って後も、

ついつい面白いので、

頁を捲っています。

文章にも好みと云うモノが在ると、

つくづく感じます。

藤沢周平氏の著作は今の私には早すぎるのだと、

とうとう断念したのです。

この藤沢周平氏の作品を、

私の叔父が常に側に置いていたことから、

ズット興味を抱いていました。

ですから、時に触れては頁を開くことたびたび。

しかし、

先にはどうしても進みません。

恐らく、私の修行が足らぬのだろうと思っています。

叔父は人生の辛酸を嘗めた人でした。

義理人情の厚い人でした。

正直、叔父ほどの苦労することを私は恐れています。

藤沢周平氏の作品が判らない人生の方が

幸せなのかもしれません。

藤原正彦氏の御母堂である藤原てい氏の遺された香炉を

叔父は形見として残してくれました。

小さな香炉です。著作の叔父の顔を重ねて、

遅くまで頁を捲っています。