患者さんの診察の合間の数分間くらいや、
昼食時などに、
チョッと頁を捲りたくなる【本】は、
私にとっての【心の栄養】であることは間違いありません。
そのような【本】は何冊か在りますが、
このところ、
秋山徳蔵氏の【味】が、
私の心が欲しているようです。
購入してまだ間がありませんが、
何度も何度も、
読み返しました。
【これが自分の商売だとなったら、とことんまで勉強すること】
【細かいところを、しっかりやることだ。平凡なことである】
【真髄というものは、平凡なところにある。なんでもない、小さなことにある】
【下手と名人の差は、細かいところで決まるものである】
当たり前のことなんですが、
私のように変人扱いされている人間にとっては、
こういう文章に触れるとホッとするんです。
歯医者ですから、
それしか取り柄がありません。
でも、
正直、私はその歯の仕事でさへ自信がありません。
診察の度に、
内心では、
大丈夫だろうか?
間違いはないだろうか?
これで良いのだろうか?
見直して、見直しての繰り返しです。
私は歯医者に成りたくて成りたくて成りましたが、
息子の仕事ともなると、
歯医者の仕事は生涯をかけるのに値するぞ!
という気持ちと、
こんな辛い仕事の苦労はさせたくないという、
相反する気持ちでいます。
ただ、
息子の将来の仕事のことよりも、
まだまだ私自信が、
歯医者の中の歯医者に成れていないのを
情けなく感じています。