この患者さんは、治療終了後10年経過しました。
途中、兵庫県川西市開業の畑 豊医師にお願いして
歯並びの矯正治療も行いました。
成人の歯並びの矯正治療を行っても、
私は歯と歯をクラウンにて連結することはしません。
歯というものは、
本来は個々の微妙な動きがあるモノです。
これを繋ぐと、
必ず後で大きなシッペ返しを受けます。
歯が歯槽膿漏でグラグラしている症例でも、
キチンと手当てできれば、
繋がなくても大丈夫です。
また、
その方が却って長持ちします。
で、
この患者さんも矯正治療が終了した後は、
模型でキチンと噛み合わせの診断をして、
最小限の歯科介入で終わらせています。
犬歯と小臼歯はセラミッククラウンで修復させて頂きました。
奥歯は意外!でしょう?
セラミッククラウンじゃないですよ。
上の奥歯は見えにくいので、
私は患者さんにお願いしてでも、
金属のクラウンを好んで使います。
歯科医でも、
素人のような人も多いですが、
診る人が診れば判って下さると思います。
この辺りが【歯科の面白さ】に尽きると。
私ら歯科医や、
私は歯科技工士は特に上手な名人を指名してコダワッテいますが、
それでも、
私らには限界があるのです。
24時間、1年365日、
患者さんと一緒に居られませんので。
患者さんにも色々なことがあるでしょう?
ストレスや疲れ、体調不良等々。
その時々で、
噛み合わせがズレるんです。
喰いしばることもあるでしょう。
そんな時に、
セラミッククラウンならクラック、ヒビ、割れることも出てきます。
その点、金属であればヘタってくれて馴染んでくれるんです。
私らの至らない処を
自然と修正してくれるんです。
金属アレルギーですか?
セラミックやジルコニアには金属が含まれていないという
歯科医は阿呆としか言いようがありません。
工学の教科書に書いていますよ。
セラミックとは無機質と金属の集合体であると。
因みにジルコニアの含有する金属の方が、
私が通常使う金属よりもイオン化傾向は高いので、
アレルギーに成りやすいでしょうね。
なんでもかんでもセラミックってのは、
その歯科医が技術に自信がなくて、
セラミックという材料を言い訳に高い治療を勧めてるだけでしょう。
歯医者は歯の番人です。
歯科材料屋の手先ではありません。
ましてや美容師でもありません。
歯の医療は歯医者の仕事なのです。