一般の方からして観れば、私立の歯学部はアホウで、国立の歯学部は学業優秀であるから、
腕も其れに比例しているのだろうとお考えなのでしょう。
遠い昔は歯学部は理系の花形であった頃もありましたが、
今では悲しいかな!理系の学生からは敬遠される程に人気がなくなりました。
なんでも巷には歯医者が溢れかえっていて、歯科医は不採算であるというのが、その原因だそうです。
そもそも、稼ぎが良いから歯医者になろうかなどと不謹慎な考えで此の道を志されたら
診て貰う患者さんの側からしたら堪ったモノではありません。
身近な処は欠点が目について、隣の芝生は青く見えるとは上手く言い当てた言葉だと思います。
歯学部、歯科医の教育に於いては、手前味噌ではありませんが、
ウチの大学は良い処だと、この頃が実感するのです。
歯学は私学によって創られたという言葉があります。
やはりウチの大学には、長きに渡っての歯科医教育のノウハウがあるのでしょう。
今日の新患の患者さんは、インプラント治療を希望されてお越しになられました。
数件の決まった歯科医院からの転院の方でしたが、
インプラントを入れるという歯の隣の歯はユラユラ動いて、
反対側の奥歯のブリッジに至ってはグラグラ状態!
歯周病に対する手当の痕跡もまったくありません。
膝をつめて、腹を割って患者さんに向かい合いました。
今はインプラント治療の段階ではなく、その前に残った歯を長く残すための手当てが必要であると。
インプラントの設計は、歯の保存状況を鑑みて決定すべきだと。
いやはや、18歳と時を振り返って観れば、
偏差値に於いて私は、この前医には負けました。
が、私はウチの大学で教育を受けれたことに感謝します。
学.術.道の充実を唄うウチの大学の水を飲んで育ったからでしょう。
私は他人との勝ち負けには全く興味はありませんが、
どうせ歯医者になるのならば、
ウチの大学は良い処だと実感します。
なんでもかんでもインプラントを入れたがって、どうしたもんだろう!
国立出身の処からばかりに、ヒガミよりも、哀れみを覚えます。
育ちって大事ですね!