もう20年くらい・前に・なるんでしょうか?
日本歯科大学は、附属病院の診療体系を・一新しました。
それまでは、
講座という・単位が・中心となって、
講義、研究、診療を・司どって・いました。
講座の長が、教授で、
教授をトップに、准教授、講師が・三役で、
多くの助教たちと、研修医、大学院生の指導に・当たっていました。
治療を直接担当する・臨床系の講座は、
保存学系が3講座、
補綴系が2講座、
口腔外科が2講座、
そして、
歯科矯正学、
小児歯科学、
歯科放射線学、
歯科麻酔学、
それぞれの講座が、専門の治療に当たっていたのです。
ですから、
一人の患者さんが、
根管治療は保存科で、
その後の修復治療は、補綴科で、
そのような・分業制で、
治療が・行われていました。
物事には、
良い面と・悪い面が・あります。
専門制では、総合的な包括的歯科治療を行うという・眼が、
どうしても・養われません。
狭い視野で、
物事を・観てしまいがちに・なります。
また、
研究が好きな人と、
治療が上手な人と、
一致すれば・良いのですが、
そう・簡単には・いかないのが・世の常ですよね。
そう云う・事実から、
講座には、
講義と研究に専念していただき、
付属病院での診療は、
歯科矯正、小児歯科、口腔外科、放射線科、全身管理科、
ここは、専門制を残しつつ、
一般の歯科治療は、
総合診療科という組織を・新設して、
診療系の教授、准教授、講師を中心に、
臨床指導を・行うように・なりました。
ただ、
これは・これで、
新たな問題点が・発生するのも・世の習いです。
医師の教育って・本当に・難しいのです。
大学は・組織ですから、
体系創りが・大切です。
しかし、
大学に入学するまでに、
それぞれの学生が・育った環境が、
大学での教育の・身につけ方に・大きな影響を与えると、
私は・考えています。
治療は・生やさしいモノでは・ありません。
患者さんの・身体に治療を施すという行為の重さは、
優しい環境では・育ちません。
厳しさを・知らない世代。
怒られることを・知らない世代。
鞭打たれることを・知らない世代。
そのような若者を、私は不幸だと・思っています。
医師になる以上、
名医を・目指すは・当然の・摂理です。
が、
欲・が無ければ、
名医どころか、
平均点の医師にも・なれない・でしょう。
最近、
新患でお越しになられる・患者さんの口腔を通じて、
さまざまな歯科医師の・治療の痕跡に・接します。
平均点の歯科治療さへ・施されていない現実。
施術した歯科医師のホームページを、
わざわざ閲覧し、
首を傾げることが・頻繁に・なりました。
己の未熟さを・自己認識することから・始めるのが・勉学の基本です。
今、
そのような・時代だと・悲しい気持ちになりながら、
私の母校は・大丈夫だと・安堵しつつ。